コーヒー
<海表>
遊戯がコーヒーを煎れた…悪く無い。
そのまま俺の向いに陣取ったのも、な。
だが。
「…何故、俺をそうも凝視する」
「だって〜!」
口を尖らせて遊戯が言う。
「コーヒーって凄く苦いんだよ?モクバくんも駄目みたいだし…」
「…理由になっておらん」
「なるの!」
「ボクには『美味しいコーヒー』の味が判らないの!でも、とびっきりのを…作って上げたいから…」
「だけど海馬くん、どんなのが佳いかって、ちっとも言ってくれないから…」
「だから。こうして…見てるしか…」
…フン、成る程な。
俺の鉄壁のポーカーフェイスを読むと言うのか…ククク、面白い!
だが、な。
「…遊戯」
「なあに?」
「それ程まで言うなら教えてやろう、俺の最も欲するコーヒーを…」
「本当!?」
遊戯の眼が輝く。
ククク…
「俺にとって最高のコーヒーとは、な」
「うん!」
「お前が。手ずから煎れたモノだ…」
「…!!」
当然極まる俺の返答に火を吹かんばかりの赤面振り、相変わらずだな?
しかし。そんなお前を見ながら飲むコーヒー、また一段と格別だ…
いい加減気付け。お前に勝るモノなど何処にも存在せんのだと、な。
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