お化け屋敷
<その他>

 秋の休日の遊園地は相当賑わってはいたのだが、遊戯はそれでも結構楽しんでいた…
 だが。

「次、あれ行くぜ!」
「え!?」

 …親友が指したその看板は。
 何と…お化け屋敷!!


「だって嫌でしょ!」
「けどお前さ、気ィ使って行ってねーだろが…たまには行きてえだろ?」
「え…ええと…」

「よっし!決まりだな!」
 ドカドカドカ、肩を怒らせいざ出陣…
「ちょっと!?城之内くん〜!?」


「…両手両足一緒に出ちゃってるよぉ〜!!」




 …先の場所に程近い、ベンチの上。やはりと言うか城之内、見事な程に伸びていた…
「…大丈夫?」
「うへえ…」

 暗闇に入った途端に悲鳴の上げ通し、挙句気絶しかかって。結局遊戯が懸命に、引きずる様にして脱出させたのだ…

「もう…無理しちゃ駄目だよ?」
「へ、確かに今日は…カッコ悪かったよなあ…」
 …苦笑。
「けど、前程怖くはねえからさ」
「…?」


「だってよ、何か…心強えじゃねーか」

「あっちにもよ…知り合い、いるってのはよ…」

 …!



「バーカ」
 伸びたままの親友が笑う。
「いちいち泣くなって!」
「…うん…っ」


 そう、今日と言う日は特別の日…
 去った人を思う時。


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