腹上死
<海表>

「ククククク…」
 愉快そうに笑う声。
「覚悟は出来ている、等と言っていたが…」

「この程度で、その顔だと言うのに…か?」
「…う〜…」

 海馬に注がれる熱いまなざしは、遊戯の心に火を付ける…とてもとても好きなひと。
 なのに。触れただけでどきどきして。
 軽いキス位で知恵熱になる…


「また、倒れられても適わんからな」
「もう!そんな事無いよ!」
「ククク、全く大した貞操帯だ!」


「この程度でその様では。俺とて何も出来んだろう?」


(う〜!!)
 好きなのに…大好きなのに気持ちに身体が付いて行かない。
 それでも懸命に、遊戯は言い返そうとする…


「ボ…ボクだって!」


「いつか…海馬くんを腹上死させちゃうんだからあ!」
「な…!?」



「…ワハハハハハハ!!」
 海馬の盛大な笑い声、遊戯はもう泣きそうだ。
 何か、強烈な一言を放とうとした、それは確かなのだが…


 選りに選って、なんて言葉を言ってしまったのか…!


「ワハハ、腹上死か!」
「もう、繰り返さないでよぉ!」
「ククク…それは実に楽しみだぞ!」


 海馬の実に愉しげな声が降って来て。
 遊戯はぎゅっと眼をつぶって…真っ赤になっていた。


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