特別講義
<海表>
「どうした?」
「この程度の問題も解けんのか」
「…ううう…」
「確率と統計はゲーム理論の基礎の基礎、これしきが判らんでどうする」
「だって!」
思わず、悲鳴。
こんな…大学レベルの数学なんて!
そりゃ、海馬くんなら。簡単なのかも知れないけど…!
「ボク…テストだって赤点なんだよぉ!」
「…それが解せんと言うのだ」
「デュエルも数学も本質は何も変わりは無い、解決の糸口を見い出し、後は用意されたカード…公式の類をコンボで組み合わせるのみ」
「…それが難しいんだよぉ…」
くたり、机に突っ伏してしまう。折角海馬に久しぶりに会えた、とても貴重な時間なのに。
数学の難しい本とにらめっこなんて…あんまりで。
「酷いよ…こんなの…」
「フン」
「俺はなかなか楽しんでもいるがな」
「…いじわる〜…」
「ククク」
「それに…」
遊戯は顔を曇らせる、自分が本当に情けなくて。
「お仕事の邪魔にも…なっちゃってる!」
叫ぶ様な遊戯の声に。
海馬は少し、意外そうな顔をした…
「…そんな事は無いぞ」
「え?」
「俺もな」
「この講義で多くを得ているのだ…」
囁きの意図が掴めずに。
遊戯は首を傾げていた。
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