メルヘン
<パラレル>

 ある所に海馬ランドと言う世界があって、海馬と言う若者が治めておりました。
 しかしそれが面白く無い者も。
「人間の癖に…」
 …それは魔法使いの乃亜でした。


 より優れた自分が統治して当然なのに、海馬は頑として譲りません。
 そこで海馬を困らせてやりたいと、乃亜は常々思っておりました…


 さて、海馬には大切な、遊戯と言う少年がおりました。剣を取った事も無く、疑う事を知りません。そこに眼を付けた乃亜、魔法で惑わしまんまと連れ去ってしまったのです。つまりは利用しようとしたのですが…

「乃亜くんすごーい!ボク、こんなの初めて見るよぉ!」
「ふふ…それ程言われると正直照れるねえ」

 遊戯は本当に純粋でした。ささやかな魔法にも眼を一杯に輝かせる素直さに、次第次第にほだされて。
 いつしか。遊戯の笑顔がもっとみたいと思う様になっていました…

「キミの望みなら全て叶えるよ…真実の泉に誓って」
「わあ…!」

「じゃあ…乃亜くん」
「ん?」


「ここにね、海馬くんを連れて来て♪」


 さあ大変です。真実の泉に誓った以上、違える訳には行きません。
 折角海馬から離そうと思ったのに…

 乃亜は困ってしまいました。


>>後記へ
>>トップへ戻る 無料ホームページ掲示板