真夏の明暗
<その他>

「すごーい、すごいすごい!御伽くん、そんな事も出来るの?」
 ジェットスキーの腕前を披露した御伽に。遊戯は興奮気味である。
「いや…その、海外でまあ、ちょっとね」

「そんなに本格的にやった訳じゃあ無いんだけどね…一時結構ハマッてさ」
「すごーい…」
 遊戯の大きな瞳が。これ以上無い位に輝いている…
「遊戯くんもトライしてみるかい?」
「え!?…そんな、ボクじゃ…」
「いいや、コツさえ掴めば簡単さ!」
「そ…そうかなあ…?」
 もじもじしながら迷う遊戯の様子に、後一押し!…そう思った時だった…

「お〜い!遊戯〜!!」
 ドタドタドタ…城之内が凄まじい勢いで走って来る。
「今よ〜、ガリガリ君で当たりが出たんだぜ〜〜!!」

 それを聞くなり遊戯の瞳、先刻以上にキラキラ輝き出す…
「すごい…すごいすごいすご〜〜い!!」

「な?でよ〜、今から取り替えに行こうと思ってよ!」
「わあ城之内くん!?そんなポタポタ垂らしながらじゃお行儀悪いよぉ!」
「甘いぜ遊戯!食い掛けぐれえで持ってかねえとよ、ゴミ箱から拾ったんだろとかイチャモンつけて替えねえ奴がいるんからよ…こーじゃねえと駄目なんだぜ!」
「え〜、そうなんだあ…あ、御伽くんも行こうよぉ!」

 タッタッタッ…
 遠ざかって行く足音。
 小さくなる姿を見送りつつ、御伽は盛大なため息を付いていた…


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