南方妖精


 名にしおう不可思議溢るる幻獣大陸ゾディアック。全く此の地と来たらこの世の不思議の獣全てを集めたかの賑やかさ…いやそればかりでは無く。
 妖精を初めとする、人族と異なる種族が無数に暮らしている土地なのだ。

 殊に、大陸の南にては非常に顕著であった。



「…うすのろが」
 一人の奇妙な衣服を纏った少女が吐き捨てるが如く。眼の前には酷く簡素に頼りない、一つの墓標…しかし少女の罵声は何も眠れる死者に向けた者では無い。
 むしろ生きながら死に行く一族に対してである。

 とは言え外見から少女の出自を判別するのは難しい。見る者が見れば少女の耳がなかなか尖っているのに気付こうが、しかし例えば所謂『エルフ』の類とは一味違う。娘の身で重労働にでも着いているのか、その剥き出しの肩や二の腕はいっそ人間にしても頑強過ぎる程にがっしりしていた。第一、肌色が褐色である。
 妖精が皆、色白とはとても言えないのだが。例えば森にすまう妖精であればなかなか淡い肌色をしている事も少なく無い。いや勿論『コボルト』の類、地霊との繋がり過ぎて故にか肌色濃い種族もいるのだが…それにしては少女の背丈は幾分高い。人間にしては小柄としても、その程度の低さである。
 そして。背後からでも良く目立つ、限り無く赤に近い茶色の髪。実は髪質かなりの固さだが、それでも針金の様に直ぐである。それを高くに結んで垂らしている様はなかなかに愛らしくもあり…また縮れ毛の多い侏儒の係累にはまず真似出来ぬ髪形である。
 おまけに。その衣装と来たら…上半身を覆う部分こそ全く簡素で素っ気ない代物だが、腰と脚と覆う衣類は実に変わっていた。種々の色に染め分けた布を幾重にも重ね、それをまた乱暴に腰でぐいいと括ってあるから。まあ輪郭だけを遠目に見れば貴婦人のドレスの様に腰で絞って裾が広がる蠱惑の形だが。とにかく色が全く色々の布を重ねて重ね過ぎ。本職の道化とて逃げ出す程の奇怪な様相を呈している。
 この少女は、一体…

「お〜い…!」
 遥か遠くより呼ばわる声。聞き逃さず、少女が髪揺らして振り返る。
 その逞しさに反して意外にも…と言えば無礼になるが。眼の大きな、なかなか魅力的な顔立ちの少女であった。

「お〜い、お…ああ、済まなかったな。祈りの最中だったか?」
「いや」
 短いいらえとともに少女、手にした六尺杖の如き品で地をとん!と叩く。
「奉納の舞も全て収めたでの」
「そうか、そりゃあ良かった」
 現われた若者は顔をくしゃりと笑み浮かべる…その浅黒い肌に。
 背も小さくまた酷く頑丈な体つきをした若者は、やはり特徴ある耳を持っており。しかも口調からかなりの若さ窺えるが…髭は顎と言わず頬と言わず顔中を覆わんばかりである。
 こちらはれっきとしたドワーフだった。

 いやそれでもこちらも変わってはいた。横幅の方が広い位の体つきだの濃い眉だの、さらにぎょろ眼と胡座をかいたが如き立派な鼻はまさしくドワーフ族特有であったが…表情がいささか軽いのだ。
 もっとも渋面の印象強きドワーフと言えど感情の起伏はなかなか激しく、身内での祝い事など人間よりも遥かに羽目を外すが常であり、腹を割って付き合う分には存外陽気な種族でもある。おまけに酒好きと来ているから…
「それならちょっくら、頼まれてくれねぇか?」
「ほう?」
 少女が片眉をくいいと上げる。

「これまた面妖な事を…高いぞ」
「おいおい堪忍してくれ!俺とお前の仲だろうが」
「それは初耳、はてさて一体お主と何の縁(えにし)があったかの」
「ははっ、いやあ相変わらずだあ…しかしなァ、聞き納めとなりゃ寂しいモンだな」
「…なに?」

「ついにな、俺も…念願叶って『海』に出る事になったんでな」
「…そうか」
 一瞬は眼を大きくしたものの、少女は納得顔で深く頷いた。


 『ドワーフの船乗り』…戯れ言に言う、有りえぬ事のたとえ。実際ドワーフと言えば大地と深い関わりのある種族である。いつ如何なる時にも大地から足を離す事を殊の外嫌い、恐ろしい長旅であっても馬や乗り物に乗る事を嫌がる者すら少なく無い。
 まして。陸地を遥か離れて大海原を延々と旅する事なぞ…
 だが何事にも例外は付き物である。

 秩序の対極、混沌のるつぼと言われるゾディアックの中でも南方は格別、この地の如き何れの大国にも属さぬ空白地帯に至ってはこの世のことわりなんぞくるり転がり何処へやら。…そもそもこの地、流浪の民が逃れ逃れて住み着いたが始まりの地である。
 南方の貴人ばらには暇を持て余し、奇抜な気晴しを好む輩が多くいた。各地から珍しい種族を集め…果ては遥か南の大海に浮かびし大陸からも無理強いにて連れ去り見世物とし。かくしてやんごとなき身分の住まう屋敷の一角に、必ず様々の種族から成る奴隷小屋が立ち並ぶに至った次第。
 しかし。従容として望まぬ運命(さだめ)に身を任すが本望か…否、遂に手に手を取ってこぞって脱走図ったのである…その数、一説には万を越えたとか。
 とにもかくにも内陸の、森深き地まで逃げおおせ。その地にて集落作り定住に至ったのである。

 …今でこそドワーフはドワーフ、エルフはエルフと各々に集落構え暮らしているが、かつては極めて雑多に混じり過ごしていたとも言う。何せ強いて集められた雑多な種族ゆえ…当地でも名の知れた一族ばかりで無く南の大陸の妖精やら人間やら、果ては巨人族すら混じっていたと伝説は語る。巨人族とは幾ら何でも法螺だろう、しかし彼等各々に無数の種族の血が混じるは全き事実。
 だから。ドワーフと言いながらも…彼等の血の奥底には、遥か南の海を乗り越えて船にて渡った記憶が眠っている。それがため、今の世に至るまで極稀に。不意に海への郷愁に駆られて飛び出す者も現れるのだ…

「…船乗りってのは手加減を知らねえ、俺が乗りたい乗りたいと言った所で岩の小人なんざ勘弁してくれ、漕ぎ出た途端船ごと沈んじまわあ!…と、まあこう来る訳さ」
「それがまた、連中も奇特な事を」
「ああ」
 若いドワーフの若者が、感慨に眼を細める。
「理屈じゃあねえ、俺の血がどうにもたぎる、見た事もねえ海の向こうの土地を夢に見る…だがそいつぁ連中にも馴染みの思いだって事さ」
「…かも知れんな」
 海はあまりに危険が大きい。それでもかつて竜王島の悲劇の跡を色濃く残す東の海に比べれば、南の大陸への航路は随分と穏やかではあるが…それでも陸(おか)の理屈の通じぬ所に違いは無い。それでも船乗りを志す者後を絶たぬのは、何も一獲千金のためばかりとは言い切れぬ。

 夢だ。
 広い広い海、そして誰も知らぬ土地。
 想像も付かぬ命の危険、しかし表裏一体の…驚異の世界。
 その全てが…夢幻の囁きが若者達を呼び寄せるのだ…

 終始固かった少女の顔が、ふっと綻んだ。

「…良かろう」
「へ?」
 トントン、手にした奇妙な六尺杖にて地を叩く。
「お主のための『まじない』…かけてやらんでも無い」
「おお?…いやあ、そりゃありがてえ!」
 喜色を全身で示すドワーフの若者にわずかに笑んで。そして付け足しの様に言葉を告げる。
「何せ…奇遇だったでな」
「はあ?」

「西へ…行く事にした」
「…そうか」
 若者もまた、静かに頷いた。
「お前も…血が騒ぐんだなァ…」

 少女の種族は己をエルフと自称はするが、その実他所のエルフとはまるで違う。ゾディアックのエルフ族はかつて地上を濶歩した森の神々の末裔と名乗り、森より滅多な事で外に出ない。そして長い寿命の代償か、色白で柳の如くに細くか弱く細々と生きる。だが少女の種族と来たら…色だってそうそう白い訳でも無く、第一寿命が随分と短く人族とさして変わらぬほど。住処も森の中と言うにはあまりに外れ、むしろ草の上こそより好む。どうやら彼等の真の祖は、草原に住まう種族だったらしい…だと言うのに滑稽にも、己を森林神の後裔に無理になぞらえているのだが。
 今でこそ、まるで縁遠い種族の如くに振る舞う南方エルフとドワーフだが、かつての流浪の旅の途上ではその血幾度も混じり合い、双方に互いの血筋が流れている。それ故少女の存在何処となく、ドワーフ族を彷彿させるは偶然では無く…
 それに。
 少女の身には、他にも別な血潮が流れていた。

「…親父さんか」
 ドワーフの船乗り見習いがつぶやいた。

 少女の母はれっきとした南方エルフの出自である、しかし。
 父は…他所の土地から流れて来た、一人の人間であった。
 旅の途上でこの地に立ち寄り、少女の母と恋に落ち。
 しかし。偽りに称した「エルフ」の名にばかり固執する、一族からは…
 「血を汚す」と罵詈雑言を浴びせられ。
 挙句、些細ないざこざから少女の母が命を落とせば…その責を追わされ。
 結局は。土地を追放されてしまった…

 少女の母は後に息を吹き返し、娘を無事産み落としたが。身体をすっかり壊してしまい、去った夫を探す所では無く。
 一族から爪弾きに遭いながら…つい先頃、娘を残して儚くこの世を去ったのだ。


「うすのろだ」
 吐き捨てる様に…
「うすのろばかりを選び集めた、烏合の衆…全くもって腹が立つ!」
「まあ、そういきり立つな」
「いや言うぞ、母を最後まで罵倒した我が一族がうすのろなら…死の淵の母を見捨て果て、故郷へすごすご逃げ帰ったあの男は…薄情薄情、腰抜けが!」
「はは…こりゃ親父さんに少々同情…いてッ!」
 六尺杖が唸りを上げる…この少女の一撃と来たら、ドワーフの頭にもまだ響く。
「いてててて、大事を控えた男の頭に何てェ狼藉だい」
「大事を控えて愚かを言う、そんな頭に似合いだて」
「はは!いや違いねえ」
 からからと気持ちの良い笑い声に…少女もまた、暫し相好崩し。
 ほんの一時、穏やかな空気が辺りに流れる…

「…さて」
 トントン、杖にて地を叩く。
「始めるとするか」
「ああ、頼む」



 少しばかり、開けた場所へと移動する。剥き出しの土、草も生えでただ黒ずんだ地面が広がっている…とは言え決して不毛の土地では無い。
 草が生えぬのは…其処が特別の地であるから。

 三間ばかりの距離をおき、少女と若者相対し。少女無言で杖構える。
 若者、いささか緊張の体。
 暫し沈黙、風すら凪ぐ。静けさに耳痛し。
 少女の褐色の瞼確と閉じたまま…ただただ時のみ過ぎて行き。
 無為の時間と覚しきが…

 まなこカッと見開いた!

 トントントトン、杖打つ地を。
 トトン…トトン…拍子は速く次第次第に忙しなく。
 不思議不思議、少女の腰を彩る色布の、土色したる布ばかり…ふわり、奇妙に浮き上がる。

「ヤッ!」

 気合いの声、いや声ばかりか覇気少女の身を抜け辺りに満ち。
 と同時に裸足の足、ダンッ!と激しく地を踏んだ。

 ダンッ!ダンッ!ダダン、ダダンッ!
 トントントトン、トトントトン!

 杖の拍子と足踏みと、強く猛きく木々すら震わせ。
 満ちる満ちる満ちる…超常の者達、見事寄せられ集うて来る。
 ぶるっ…精霊の営み見る才無き若者にも、その気配のみにて武者震い。

 ダダダンッ…ダダダンッ…!!
 最早少女は常ならで、狂女の舞いもかくやの凄まじさ。
 玉の汗、辺りに散らし…憑かれた如くに躍り狂う!

「ハッ!!」

 ダダダダンッ…

 今や不可視の世界のみを見つめし少女の口より、不可思議の言葉流れ出でたり。
 遥か太古の昔の事、不如意な故にてこの世から…離れ行く神霊達が残せし言魂なりき。

 …参らせい、参らせい!
 汝が民を忘れしか、汝が眷族はらからを…
 ここに吾子(あこ)おり汝が吾子、そが腹から産まれし吾子が!
 地から産まれし者どもは、いずれ果てしその日まで汝が腹にて養うべし…
 されば、されば!
 贈り賜えし護りの剣!
 旅立つ吾子の永遠(とわ)の護り!
 猛き剣よ邪を払え、災い全てを払い賜え!
 たとい潮の魔物牙剥くとも、其が剣にて裂き賜え…
 さあさ、さあさ!
 大地が剣のもののふよ…
 起きよ目覚めよ吾子の元!!


 ダダンッ!!

 大地むくむく盛り上がり、中より出ずるひとがたの…土の色した小人達。地の精霊、「大地の剣士」である。
 一人一人は極小さい、たった五寸かそこいらだが。とにかく数が滅多やたらに多くいて。
 その全てが…若者に向かって剣振り立てやって来る!
「いてっ、いてててて!!」
 ばしり、ばしり…あくまで剣の平を使っての事にしろ、こうも叩かれては悲鳴も出る。…それでも努めてその場に踏み止まる。
 何となれば…この剣の一打ちこそ、大地の恵みの祝福に他ならぬから。

 悲鳴は結構な時間、続いていた…


「…ふう、やれやれだぜ」
「ははっ、お主もなかなかよう耐えた!」
「全くだ、御利益があればこそだ…しかし今日はまた、随分とひでえ扱いだな」
「何を言うか、海を渡ると聞いたからの、格別念入りに『大地の剣士』を招いたでな…」
「ほう?そりゃまた…」
「あれだけの『剣士』の数だて、百年や其処いら陸(おか)に上がらずとも済むからの」
「ははは!こりゃァ豪勢なこった!」
 からからと、朗らかな笑い…
 しかし双方はっきり気付いていた。

「明日か?明後日か…お主の出立は」
「そりゃあ…海の気分次第てえトコだあな、けどまあ近い内には違いねえ」
「そうか…」
「なに!お前らしくもねえ、シケた顔は景気が悪ィや!そら顔上げてみろ!」
「…別段お主の命運どうなろうと、知った事では無いがの」
「ああ全く!そんな所は全くらしいや!」
 ガハハ…豪快に笑い。
 そして今度はニヤリと少女を見る。

「ま、西の国行って…いい男引っ掛けて来いや!」
「な…!!」
 少女の頬、ほおずきと化す…

「全くもって勿体ねえこった!それだけ太い腕で頑丈と来た、ドワーフの嫁にぴったりだあ!…ってえ!」
 ガツン!怒りの一撃が。
 少女、また違った感情の高ぶりに、先刻以上に赤い顔。
「無為な戯れ言、二度と利けぬ様にしてやるぞ!」
「ははっ!全く全く惜しいモンだあ…その伝法でエルフ娘たあな!」
「ふん、流るる血まではどうにもならぬて」
「ああ…しかし成る程確かに人族の血も混じってらあ…」
 若者は少女の背を見て少し笑う。人に混じれば小柄だろうが、ドワーフ族より明らかに高い。

「しっかり探せよ!俺達ドワーフ並に頑強で、しかもお前より…背の高い、亭主ってのをよ!」
「このっ、抜かせ!」
 からからと、陽気に笑いながら…また殴られては堪らぬと、若者全速力で逃げ出して行く…

 何分足の短いドワーフだから、少女ならば悠々追えるのだが。…ため息一つ、諦めた。
 若者の姿は次第に遠く、小さく景色の向こうに消えて行く…

 が。
 不意にその影立ち止まり、くるり少女へ振り返る。

「月のォ〜女神様ァ〜〜!!」
「な…?」
 若者が天に向かって叫んでいる。
「どおかァ〜、このドワーフ娘みたよなマイアにィ〜、真っ当な亭主をォ〜…」
「こ、こら止めぬか!」
「お願い申し上げますぜェ〜!!」
「…いい加減にせい!!」
 真っ赤になった褐色の少女が、杖を振りかざし走り出す。
 若者も、こりゃかなわんと駆け出すが…
「こいつはァ〜、腕も腰も太い娘ですがァ〜…気立てにゃ良い所がございますぜェ〜!!」
「この…止さぬかッ!」
「はははっ!俺ァ、お前を褒めてンだぜ〜?」
「…腰が太いと言うが褒め言葉かッ!!」
「ははは…」

 人気の無い森を乱す、若い怒号と笑い声。
 しかし。そんな中でも二人とも、実に明瞭に確信していた。

 もう二度と、会う事は無かろうと…


Fin.


後記:
 ちょっと失敗でしたねえ…
 要するに「ドワーフみたいに頑丈なハーフエルフの娘っ子」ってのがテーマだったのですが、その頑丈っぷりに描写が割けず残念無念。船乗りドワーフ君はまあ話の都合で登場させただけですが、書いてみたら思いの他気持ちの良い奴になっちまいましたねえ。このドワーフ君、変わり者のエルフ娘の対比として変わり者のドワーフとして書いただけで、この後南の大陸に渡ってそっちに定住しちゃうんで…絶対今後話には登場しないんですよ。なのに色々台詞言わせちゃって、何か寂しいです…
 そう言えば。自分、ファンタジー好きの癖に最近まで知らなかったのですが…本来「ドワーフ」と言うのはむしろ水に関係の深い存在だそうですな。何となく有名シリーズの影響でドワーフと言ったら水嫌いってンで凝り固まっていましたが違ったんですねえ。ああ言う、洞窟の中カンテラ照らしてエンヤコーラ…って言う小人さんはむしろドワーフとは違う種族らしいです、本来は。で、ドワーフってのは元々の伝承によると気難しい森の守護者で、無闇に動物を狩ると怒るとゆー存在で。しかも水と関係深し…ローマ神話で言うディアナとポジション一緒やん!なんかイメージちゃう!
 ま、そんな事言ったらエルフも凄いですな!昔は「エルフの取り替え子」って言うたら大層ブッキーな餓鬼の事言うたのに…いまじゃどんな世界観でも、エルフが美形ってのは不動やもんな!

 で。
 このマイアって娘は書く書く言ってなかなか第一部最終話が書けないでいる、星 〜銀河の煌めき〜の第二部新レギュラーです…てゆーか、はよ完結編書けや!
 あのほら、舞台が変わるので…山吹色のサタヤが一応退場になりますので、新たなポニーテール要員として補充(をい!)…それは冗談としても、彼女は一応新たなクラスなので戦闘でも頼もしく活躍してくれる筈。
 そのマイアの職業ですが…これまた妙なクラス名ですみませんが、「精霊司祭」ちゅーモンです。
 まあ一応「精霊使い」に近いのですが、どちらかと言えば「神官」と「精霊使い」の中間的存在です。そもそも実はこのゾディアック大陸を含めてあの世界、神様と精霊との間に明瞭な区別は皆無でして。概ね力の強いのを「神」、弱いのを「精霊」と呼んでるだけなんです、ハイ。
 …逆に言えば条件さえ整えば、通常「精霊」と呼ばれている存在も神に匹敵する奇蹟を起こす事が出来る世界でして。普通は人間に結構タメ口聞かれちゃう精霊達をあたかも偉い神様みたいに崇め奉る事によって強力な力を引き出させる…それがお仕事ですな。なんかそーゆーと微妙ですが…
 ま。この世界、「祈り」とか「信仰」に物凄くパワーがあるって設定で。例の星 〜銀河の煌めき〜シリーズで『念』の塊をやり取りしてるシーンがありますけど、例えばあんな感じで。「祈り」を捧げると…祈った分だけ人間のそのテのエナジーが対象に注がれると。つまり祈られると神様パワーアップするって訳で。つまり「精霊司祭」っちゅうのは普通「精霊」と呼ばれる格の低い連中に、「祈り」って言うか「奉納の舞い」っちゅうドーピングをして見返りに奇蹟を起こして貰うと!…いや何かヤな言い方やな(^^;)

 まあなんて言いますか、西洋風ファンタジーだとウズメノミコト系シャーマンが稀少なので。その辺をちょっくら狙ってみたかったって事でして。シャーマン言うたらやっぱトランス状態で踊ってくれんと…

 あ!それから本文で書き忘れましたが、マイアの妙な衣装!
 あれ、要するに所謂「精霊石」みたいなモンですよ。各々特別に精霊力の強い染料で染めてありまして、召喚の媒体に使うのです。仕舞っておいていちいち取り出すのも面倒なので、ああやって全部腰に巻いて置くと言う…ズボラやな(^^;)


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(C)獅子牙龍児
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