戦慄!海馬キャンセラー事件


 発売からかなり経つので以前ほど目立たなくなったが、書店のベストセラーコーナーの一角に「海馬は疲れない」と言う本を見かける事がある。あるいは広告でも。
 別段今更どうこう言う必要も無い、有名な本なのだが…
 多分、書名を見て爆笑した人も少なくなかろう。

 …かく言う筆者もその一人である。



 事のおこりはかなーり遡る。かなりアホなきっかけで…いずれ語る機会もあろう…某超有名ファンタジーにズボッとはまった約一名は、検索窓に必死こいて文字を入力しくさっていた。○ーナーが怖いので詳細はボカすが…マジでワー○ーに閉鎖させられたサイト、あるって噂だしなあ…とにかくアレ、各種検索サイトで採用されているカタカナ四文字表記を打ち込み、enterキーを押す事を繰り返していた。(…)
 …とまあ、クモの巣の海をウハウハ(死語)漂流しておった訳ですが、流れ流れて三度笠(?)、さるサイトに行き着きました。
 結論から言えばナイスなサイトだったのですが…そこで、著者の運命の大車輪がぐるりんぱと回ったのであります…!


「ぬう…」
 林檎機の前で唸るNN者一人。いきなり表紙頁で立ち往生…と言っても所謂「IEオンリー」とか「Winのみ」のサイトっつー訳ではありません。もっとコンポンテキなプロブレム…
 ド貧民たる筆者は、少しでも通信料をケチるために画像表示を常にOFFにしてサーフィンしていたのですな!
 …無論、そーゆー哀しき者達の切ないキモチを酌んでの事か、「ALT」を使ったりテキストナビゲーションを採用するサイトもあるにはありますが、おおむね激ツラです。左様、筆者が漸く流れ着いたそのサイトも、ただただ画像ボタンが並ぶだけの状態でありました。
 ま、リンク先のアドレスから大体検討は付きますが…たまさかの気分でしょうか、当てずっぽうにクリックしました。
 結果…

 ハズレ。
 「ふぁんたじい」なページにあらず、別ジャンルのコンテンツに。しかしソレは某少年週刊誌系、ならば敵(?)に不足はあるんめえ!とばかりにこちょこちょ道草を喰い始めたのです。
 そこで、ハタと気が付きました。
 ジャンルは○○王(←伏せた意味ナシ)、当方仮にもヲタク道に名を連ねる者ゆえ、当然余裕で守備範囲内であります。ずらずら〜っと作品紹介萌え語り等を見ておりましたが、一つ。疑問が生じました。
 …いや、ファンの方々が聞いたら耳を疑うでしょうが…

   「あれ?この『瀬人』ってダレや?」(え)
   「…社長?誰やねん」(あの)
   「海馬?シーホースのバイ(以下省略)か?」(をい)

 ……………。

 そう、そうなのだッ!機械文明須く世を覆う21世紀(←カンケー無いがな)、なんとこの地球上に…
『○○王』を知りながら『海馬』を知らない人間が、存在したのだッ!!!



 まず、主人公はウラオモテともに先刻承知であった(当然)。城○内も然り。モ○バも…初対面の印象の方が強すぎたが…とにかく知ってはいた。なのに「奴」の事だけ記憶に無い!?
 それはそれとして(殴)パロ小説を読み耽る(耽るな)内に、あたかも封印されし前世の記憶蘇るが如く(笑)、某社長に関する鮮明なヴィジョンが眼の前に現われて来た。復活した記憶を詳細に検討するに、オソロしい事が次々判明したのである!

 まず(今となっては懐かしい昔語りだが)ファンの方なら皆御承知、アルカトラズのバトルロイヤルがある。ぢつは、この頃はかなりジャ○プを読んでいて、この辺りのストーリーは大分フォローしていたのである。当然マ○ク辺りも承知していた…次いで言うとあのハゲしい攻防も。
 なのに…

 なーぜーに、海馬の事だけ記憶に無いんじゃあああああ!!!

 じゃあ「攻撃誘導アーマー」を、わざわざマ○クに使ったのは?
 脇から「収縮」使ってイヤガラセ(笑)していた奴は?
 城○内に「破壊輪」かまして止め刺そうとしていたのは…誰や思うとる?
 あの攻防リアルタイムで見てて、どーして奴だけ記憶からすっぽり抜けおちとるんじゃあああああああああ!!

 …否。事態はそればかりでは無かったのである。


 以前の東映版アニメ時代、たまたま買ったア○メディアのイラストで、○○王のイラスト見る度一人だけ知らないキャラがいて不審に思っていた…その事を思い出してしまった。
「遊○、ぺ○サス、モ○バ、城○内…はいいとして、この緑髪(笑)の奴って誰や?」
 そう、そうなのだ。東映版を見ながら某緑髪の白ラン野郎が記憶に残っていなかったのだ!つーかモ○バ知ってて「兄サマ」知らねーってどうよ!そりゃアレだよ瞬知ってて「兄さん」知らねえっつー位のモグリだろ!(爆)
 あたかもノイズキャンセラーの如く…狙い撃ちしたかの如く、海馬Co.のシャチョーは記憶の内よりことごとく抹消されていたのである。それも、長期に渡って。

「くっ…何か、何かあるはずだ!」
 過去の記憶が無くては前に進めない!焦燥感に駆られながら(そな大袈裟な)、記憶の海を必死で遡江した。



 アニメの記憶を一つ一つ丹念に探る。家庭内の立場がイマイチのため、チャンネル権バトロワで何時も真っ先に脱落するため、ぢつは見た話数は数える程。フッ、しかしかつては「アニメヲタク界の北島○ヤ」とまで呼ばれたのだ(←大嘘)、一度見た回は忘れない!愚民ども、思い知れ!フハハハハハハ!!←?
 …ぬ?何だコレは?この厳重に封印されているこの回の記憶は?
 パラパラパラ…むう、こんな記憶が残っていたとは!
 …記憶のセメタリーから発掘された、あまりに詳細な記憶に動揺した。


「………(赤面)」
 いや、その、つまり…ソノ道の人々には「プロポーズ事件」としてつとに有名な例の話である。小生なんの心構えも覚悟も無く、相当油断してテレビをつけたのだが、あの、(実体が無い癖に)手を取って見つめあう、どー見てもムード満点でアレな感じにしか見えないシーンが視聴者の面前で繰り広げられた問題の回…昔々先カンブリア時代からうっかりその道を知ってしまった自分であるから、あらかじめ判っていればさほどでは無いシーンとは言え、いきなりお子様も見ているテレビでですぜ?とにかく童謡、いや動揺した。
「○○王って『こーゆー』路線だったのかー!!!」←違うと思う、多分…
 と、既に気分は180度、妙な期待感すら覚えながら(…)引き続きテレビの前にかじりついていた。
 しかし。いっかな、そーゆーシーンは続かなかった…(阿呆)

 むっすーと、不満タラタラ状態のまま、惰性で(失礼)見続けていたのだが、そこに!奴が…意味も無くコートを風になびかせながら、奴が現われたのだ!
 知っている方は疾うにご存じ、割と作監のイイ日であったのだ、当然『奴』も当社比30%位美形化されていたのだった。何つーか、妙に目つきに憂い含む、アップに余裕で堪えるデザインである。しかも無意味な風がさらに美男子(笑)ぶりを助長する…その時、不覚にも思ってしまった!
「…カッコいいじゃないか!」
 ピキーン!
 その瞬間、衝撃が走った!

 はばかりながらこの当方、生まれてよりこの方『奴』の事を『変人』としか認識していなかった。脳内カテゴライズに於いてもあくまで奴は『大変人』、奇天烈奇怪極まり無い野郎としか認めていなかった。それが、己の中の金科玉条、脳内ハンムラビ法典であったのだ。それが…
 選りにも選って、『あの』海馬捕まえて『カッコいい』だと!?『美形』と看做しただと!?…それを認める事はイコール自分の価値観を全否定する事、己の意識を根底より破壊する事…それは人格崩壊を意味する!←そんなアホな(^^;)

「馬鹿な!下らん下らん下らん!非ィ科学的だ!」

 …未曾有の危機にあっては人間誰しも本能的防御機構を発動する。
 そして。
 …どうやら脳は『カッコいい』と思った事自体を消去する事を選んだらしい(汗)…いやマジで!


 魔法カード「選択健忘症」はどうやら永続発動だったらしい。
 以後、妙な所でデキの良い我が脳ミソは、アニメやらジャ○プやらを眼にする度に丹念に丹念に『奴』の顔形行動、台詞の細部に至るまで奇麗さっぱり消去していった。御丁寧に、キーワード「凡骨」とかも(笑)
 一体脳のどの部分がどーゆー働きをしてそーなるのかは不明だが、視野の中に海馬を認めると本当に真実『そこ』だけ消去されて言った。他は全く無事、何度も言う様に、社長知らずでありながら、マ○クもイ○ズもバッチリであった。千年アイテムを巡るあれこれも一通り押さえてあった。
 …あ!今思い出した!そー言えば何故か当時、千年ロッドだけ頭に無かったよマジで!(^^;)そうそう、「七つアイテム!?七つってドレやねん!?」と悩んでいたのう…もっとも、あの時千年ロッドはマ○クが所有していたハズだが。でもちゃんと(?)オシリスもブルーアイズも脳裏に残っていなかったので、まとめてひっくるめて海馬関連のブツは一切合財血も涙も情け容赦も無く消去されていたと見える。(…マジかよ…)
 うーむ、見事。個人的に健忘症に関してはかなり自信があるのだが(←自慢する事かよ!)それにしても我ながら鮮やかに過ぎる。そう言えば所謂『酒脳』、リアルタイムでは意識も判断力も正常なのだが、後々に当時の記憶が残らないアノ現象、結局は一時メモリーの問題の様である。つまりアレ、RAMの内容をHDに落としとくのを怠った場合の…んで、人間サマの一時メモリと言えば。
 やっぱ主犯は海馬か?(爆)海馬なだけに?(爆爆爆)

 …恐らく、例のサイトに巡り遭わなければ、社長スキーなペイジにブチ当らねば、未来永劫そのマンマだったに違いあるまい。



 運命とは判らぬものだ。♪あの日あの時あの場所で君(←奴にこの呼びかけは違和感…)に出会わなかったら…
 …多分、検索窓に「海馬スキー」なんぞと打ち込む事も永遠に無かっただろう…(^^;)


 およそ十年振りでJCを買ってしまった。慢性金欠病だと言うのに、ちまちま…。社長語録も見い出し暗記(おい)した。否定の言葉を言おうとするたび、つい「非ィ」と叫ぶ習慣が身に付いた。気付くと「受け取れえええい!」とかほざく様になった。鼻息もアラく(死)、ソレ系サイトを巡回するようになっていた…
そして。
 書店で「海馬は疲れない」を眼にするたび…

 イロイロなイミで、爆笑している。


 人生はまるで先の読めないデュエルの様だ…


〜完〜


サブタイトル:在る阿呆の伝記


ps.
 自分、普段はもう少し人間です…(号泣)
 何故にこんな長い…否、長すぎる(;;)
 御拝読して戴いてありがとうございましたm(__)m.
 …ちなみに、伏せカード(謎)を密かにセットして置きましたので(^^)


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(C)獅子牙龍児
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