禁忌の術


 山姫と、皆の…特にあれ程魔術師を嫌っていた、アーシェラの反応には。シドも思わず眼を瞬かせた。
「お前らなあ…」
《ふふ…でも良かったこと》
 山姫はころころと笑っている。

《ねえ若作りさん、ともに戦う仲間でしょう?秘密を作るのは感心しなくてよ》
「申し訳…ありません…」
 余程皆の反応が予想を外れていたからか、らしくも無い程動揺しながら頭を下げる白い魔術師。
 対する山姫は実にふくよかに笑んで満足の体。
「けどな!大体何だって…勝手にべらべら喋るんだよ!」
《あら?》
 蛇頭傾けとぼけ顔。
《だって…先手を取られてしまったのですもの…》
 さらに重ねて…蛇体くねらせ拗ねた顔。
「…あのなあ…」
 筋金入りの蛇嫌いの少年は、山姫の思いもかけない仕草に鳥肌を新たにするのだが。
 …この頃には人間達も、この一風変わった女主人の気性が飲み込めて来ていた。

《だってこの若作りさんたら、こちらの事をあんまり知り過ぎていてよ。そんなの、とてもずるいでしょう?》
「ずるいって…言うかよ」
《私だって、一矢くらいは報いたいの…判るでしょう、おチビさん?》
「チビって言うなよ!!」
 あまりに対照的な『二人』のやり取りに。ほんの先刻まで座に満ちていた緊迫感が解けて行く。

 それでも魔術師の顔には何処か憂いがまだ残り。
 …突如逃げ出した、魔女ロウヒも。離れた物陰からこちらを怯え顔でうかがっている。
 あの凄まじい魔女の震える様が、一時頭を離れていた…山姫の恐ろしい一言を蘇らせる。

 《死者を歩かせ邪神を祭り…》
 《命無きものに偽りの魂を与える…》

 師弟達より幾分か、離れた場所にてへたり込んでいた少女…先に衝撃を受けた事実より、さらに恐ろしき言葉…
 叶うものなら、真実を知りたい。
 あの人物の見せた暖かい言動が、邪悪に基づくものかどうか。
「そんな事…無いわよね…」
 少女の震えた声のつぶやきを。戦士は耳聡く聞き取っていた。


「時に…俺はちょっとばかり確かめたいんだがね」
 山姫の前と言うのに、いっそのんびりとした口調で戦士が言う。
 …疾風と名乗るこの若者にはなかなか豪胆な所がある。それが単なる若さや無知な愚かさ故では無い事は、既に皆が知っていた。
 そして。ちらり、少女を横目で見た後…
「その先生が『ネクロマンシー』を使うって話は本当かい?」
「…!」
 少女が蒼白になって戦士を見る。

「いや、山の姫様がそんな事をおっしゃるんでね…俺も気になったって訳さ」
 ネクロマンシー…死霊魔術。それは死者を冒涜する、外法(げほう)中の外法。何も光の神の教義に依らずとも、人であれば誰であれ必ず忌避するおぞましき技。
 少女は口を開こうとして、力無く閉じる。
 もしも…もしも?
「もう少し、その辺り…俺も聞きたい所でね」
 少女に代わって戦士疾風、努めて軽い口調で重ねて問う。
 そして少女にとって恐ろしい事に…
 あの白い魔術師が。視線に耐えかねる様に眼を伏せた…!

「ったく、お前らなあ!」
 痛い程に張り詰めたしじまを。
 常に過剰に師匠思いの、小さな闇妖精がきっぱりと破った。


「これだから素人は困るよなあ!いいか、『ネクロマンシー』ってのはお前らの思ってる様なモンじゃ無いんだぞ!」
「へ?」
「たとえばさ、今回お師匠が作った…」
 と、そこまで威勢良く言った所で。途端にぶるぶると身を震わせる。
「…いや判った、坊主の言いてえ事は判ったからよ」
「お前、本気でアレが苦手なんだなあ…」
 ラグーと戦士がいささか脱力した声を返してやる。
 実際、シドが力んで話さずとも、皆何とは無しに白い魔術師への疑念を薄れさせていた。
 だが師匠思いの少年は、鳥肌を立てて硬直しながらも必死で続ける。
「そ、その…アレだってさ。何で、小さいのから…でかいのが出来るか、判るか?」
「はあ?別によう、小せえのがくっついて大きくなるんじゃねえのか?」
「だからなあ!…粘土か何かと違うだろ、あんなのでもそのままくっつける訳、いかねえんだよ!」
「…そうなのか?」
「だってよ、そのまま付けたら口とか…」
 また、如実に『口を無数に付けた巨大蛞蝓』でも思い浮かべたのか。小さな弁護人が硬直する。
「シド、もう私の事など構わず…」
 白い魔術師が案じ顔で止めにかかるのも無理は無い。とは言えシドの心情も良く判る…先に山姫に「正体」を曝露されてこの方、その細い面に浮かぶ憂いはいや増している。おまけに顔色も優れず…
 恐らく。マギス生まれとの出自がために、この人物は謂れ無き誹りを幾度と無く受けて来たに相違無い。
 そして。
 師弟に気付かれぬ様…山姫が、皆に向かってそっと片目をつぶって見せた。

 実際。
 彼等もまだ、心の奥を覗けば小さな疑いがくすぶっている。

「ねえ貴方、全部…ちゃんと話して」
 アーシェラの言葉は皆の思いそのものである。


「魔法でさ、別の生き物作るっての…お前ら判ってねえだろ?」
「そりゃお前ェ…俺達ァ、確かに素人だぜ。当り前だろうが」
 もっともな坑夫の言葉にシドも頷く。
「いいか?元は別々の生き物なんだ…それが最後に一つの生き物になるんだ、おかしいって思わないのかよ?」
「へ?」
「言ったろ?粘土細工じゃねーんだよ…」
「…そうか!」
 不意に戦士が顔を上げた。
「さっきの『器官』の話もあるが…『魂』も問題って事か!」
「へえ…?」
 いささか意外そうに戦士を見つつもシドが頷く。
「案外良い勘、してるじゃねえかよ?」

 …アーシェラはやり取りを無意識に反芻する。
 『魂』が、問題…?
「ちょっと待てよ!」
 少女と同じ推論に至ったのか、自分で言っておきながら戦士が慌て出す。
「それってのは…つまり…」
「つまり」
 ニヤリ。…子どもの顔に悪戯な笑み。

「お前ら、もう…儀式そのもの、ばっちり見てるって訳さ!」


「動物の死体、適当に拾って来て。ただ繋ぐって言うなら…怪しい裏の職人だって出来るさ」
 非合法の市場には、珍獣の身体の一部などを『薬』と称して並べる輩が少なく無いが、そのほとんどが偽物である。
「けど、それを動かし…歩かせたり飛ばせたりするっての、出来る奴っていないだろ?」
 何も『ネクロマンシー』は死んだ人間を歩かせるばかりが能では無い。
 命無き存在に、かりそめの命を与える事も。実際は得意の範疇であるのだ。

 …元来土地の魔力の異常により、尋常な生き物はまるで生きられず。人がその土地で生き延びるための必要に駆られて、実に奇怪な生き物を幾つか作り出していた。
 おとぎ話の世界では、マギスの国を八本脚の馬が疾走するのが定番だが。実際にそんな生き物すら珍しく無い。

「魔術で新たな命を造るために…まずは奪わねばならないのです…」
 魔術師が。痛々しい程の苦渋を浮かべて。
「善い事では無いと…私も存じてはおります…」
 …実際。魔術師の幻獣造りは、実は正式には禁じられた行為だと言う。アーシェラ達には思いもよらない話だったが、あの巨大蛞蝓を造った事さえ、光の教団の神官達に知られればただでは済まないと。
 だからこそ。どの魔法ギルドにも、同じ『仕事』を職業とする者は皆無なのだ…

 確かに初めに言われたら反射的に拒否反応を示したかも知れない。
 仮にも死霊魔術の範疇に入る、そんな魔術に通じた者など…と。

「けどなあ…たかだか蛞蝓だぜ?」
「でも、命です!それを世の摂理に反してねじ曲げるのです!」
 苦笑混じりの戦士の声に弾かれた様に面を上げ。…いっそ少年の様な切実さで白い魔術師が言い募る。
「私は…今までそうして…日々の糧を得て来ました…」

 戦士が納得顔で静かに頷く。…一同も同じ気分だった。
 だが。まだら髪の若者は、敢えて再び口を開く。

「で、何かい?先生が今まで造って来たものに…人間が素材になったりってのも、ちょっとはあるのかい?」
「…そんな事!!」
 魔術師が悲鳴の様な叫びを上げる。
「そんな…そんな恐ろしい…!!」
 両眼を固く閉じて。発作の様に首を左右に激しく振り…長い白い髪の毛が千々に乱れる。

 もう。十二分だった…


《ほら…貴方》
 優しい笑いを含んだ声で。山姫がそっと白い魔術師を向く。
《誰も。貴方を厭う人などいなくてよ》
「え…」
 魔術師が惚けた様に辺りを見渡す。
 戦士は勿論、坑夫も笑っている。バトラー老人も…
 そして。少女もしっかり立ち上がり、魔術師に向かって笑顔を見せる。

 信じられない、そんな風に眼を丸くする様が少し痛い。
 知らなかった事とは言え、魔術師を悪し様に言い刃の様な言葉を投げつけた事を…深く恥じた。


「大体な、お前ら全然判ってねえけどさ…お師匠はやりくりだって大変なんだぞ!」
「え…?」
「魔術師は特別重い税、払わせられるんだよ!しかも、すぐにでも払わなきゃ殺すって感じでさ!」

 ギルドに属さぬ魔術師は名目上土地の領主の庇護下にあるが。魔法と言う特殊な技術を金のなる木と当て込んで、無理難題を言い付けられるは日常茶飯事。種々の名目で金銭を待った無しで要求され、すぐに払えぬなら借りてでも払えと脅され…無論、金貸し連中も一味で。
 才能に見合わぬ慎ましい暮らしを続ける魔術師だからこそ、借金もすぐに返しているのだが。いつまた無体を言われるとも限らず。…だからこそ、密かに幻獣造りの請負までしているのだ。

「言っとくけどな、金欲しさに暗殺用の毒薬、売りまくってる奴なんかのが多いんだぞ!」
「そんな…!」
「しかも、さ…」
 口をへの字に歪ませる。
「そっちのが。ばれたって罪、軽いんだ…」

 少女は何度も瞬きした。
「わたし…何も…判ってなかったわ…」
「いいじゃ無いか」
 若い戦士が。宥める様に背中を軽く叩く。
「人間、初めは誰だってそうさ。肝心なのは、気付いた後どうするかって事さ」
「そう…ね…」


「でも…私はマギスに生まれた者です…」
《そんな些細、気に病む事かしら?》
「でも」
 白い魔術師が辛そうに山姫へと向き直る。
「マギスの者達は…かつて故郷の島で、貴女の同胞を幾人も害したのです」
「じゃあ…あの伝説って、本当だったのかい?」

 かつて、遠方の幻獣島にて魔法操る魔人族が現われたのも偶然では無く。…元来は竜王の末裔達の狼藉に対抗するべく力を欲したのだと伝説は語る。
 強大な力を持つがために異界の者達からも狙われ、ついには滅した竜王達は。己の力をいまわの際に眷族達に譲り…恐るべき能力と生命力を有した眷族達は奢り高ぶり、やがて幻獣島全てを掌握するに至ったのだ。
 その支配を嫌い…竜の恩恵に預かれぬ者達は、魔法と言う武器を手にして反乱を起こしたのだと言う。それでも絶望的な力の差に、彼等は己の身体にまで繰り返し凄まじい魔法をかけ、一族揃って人ならぬ存在に成り変わってまで挑み続けて眷族達を虐殺し。勝利をもぎ取ったと…もっとも結局はその始祖の魔法使い達も。力に溺れて自ら滅亡の道を辿る事になるのだが…
 その生き残りが、海を渡ってマギスの国を建国したのである。

「貴女には…怨む理由がおありでしょう…」
 確かに山姫は言った、殺す理由があると。
 だが。肝心の女主人は…身を反らせてころころ笑う。
《おかしいこと!》
「…あの?」
《だって…あんまり古い話ですもの、幾ら私だって生まれてもいなくてよ?》
「でも…私達の先祖達は、まだ幼い蛇族にすら、容赦をしなかったと…それを今でも自慢げに語り継ぐ者達が無数にいるのです!私達の罪は決して消えてはおりません!」
《あら、》
 美しい、蛇の面に優しい笑み。
《そんな風に言われると…私も困ってしまうわ?だって、》

《そうなればこの私も。ずっとずっと昔の時代に、貴方の先祖を殺した者の血を引くのだから…》

《貴方に仇と討たれ無くてはならないわ…違って?》
「え…」

《それにもっと差し迫ったこと》
 山姫が、紅の瞳をすっと流すと。…視線の先で、シドが臨戦体勢で睨んでいる。
《貴方にもしもの事でもあったなら…あのおチビさんが、》
「チビって呼ぶなって言ったろ!」
 軽く笑ってあしらって。
《それに他の皆さんも…きっと黙っていないでしょう?》
 思わず振り返った魔術師に。皆、本心から頷いた。

《ほら》
 暖かな…声。
《貴方はもう、どんな術でも。存分に、思うさま奮えるでしょう?》
「山姫様…!」
 魔術師が驚き振り返る。当の山姫は、悪戯っぽく…そして暖かく…笑みを浮かべている。
「もしや、そのために…?」
《ふふ…それもあるけれど、でも》
「でも?」
 にっこりうち笑んだまま、蛇の身体をくねらせて。山姫が魔術師の傍まで顔を寄せる。
《貴方。何処となく固い壁があって打ち解け無いのもの…寂しくて、ね》
「…え?あの…?」
《あらあら難しかったかしら?…ただの女の気紛れなの》
 ころころと笑いながら…山姫が再び元の位置へと戻って行く…

 取り残された魔術師は。
 本当に…子どもの様にきょとんとしたままで。

 少女は。前より一層、この一風変わった『貴婦人』を好ましく思って微笑みかけ…
 はっとして顔を引き締めた。

 自分達が何故、この広間に呼ばれたか。そして、何故…魔術師の全ての力が必要なのか。

《ロウヒ、ご苦労だけど…『幻影の水晶』を運んで頂戴》
 至極ゆったりと女主人、ところが肝心のロウヒ…歳を経たあのゴブリンの老婆と来たら、いまだ物陰で震えている。
《ロウヒ!何をしていて!》
「お、お言葉ですがの…婆の腰が抜けまして」
 あの、凄まじい容貌の怪婆がおどおどする様は何とも滑稽だが。成る程竜の眷族を駆逐した…その当人では無いにせよ、匹敵する程の力量の伝説的な存在が眼の前にいる訳だ。そして蛇体の山姫奉じるゴブリンなら、より深くその恐怖の逸話にも馴染んでいるに相違無い。
 判らないでも無いが。
《貴女…ねえ》
 麗しい女主人、嘆息一つ。
 魔術師がまた眼を伏せ身を縮ませるを見て、さらに重ねてため息一つ。

《傍目にはねえ…どう見たって、貴女の方が怖くてよ?》

 …あんまり的をずばりと射抜き過ぎていて。人間達が固まる中。
 気の良いゴブリンのスカル、つい堪らずに吹き出した。

「確かにそりゃあ違いねえ…」

「何じゃとお!?」
 老いたりともかくしゃくたる怪婆の事、聞き逃す筈も無く。
 怯え何処やら眼を剥いて。肉食獣の素早さで…たちまちスカルに杖の天誅!
「うお!?…ば、婆様堪忍して下せえ!!」
「せんでおりゃりょうか!婆とて若い娘の時分には、引く手も数多、婆を巡り争い事まで起きたのじゃぞ!」
 人間どもも唖然とする中、哀れなゴブリンの災難は続くと見えたが…
《ねえロウヒ、それだけ元気に暴れられるなら…私の用事も頼まれてはくれなくて?》
 山姫はにっこり笑っている。

《そんなに無闇に怒っていては…皺も増えてしまってよ》
「ひ、姫様ともあろうお方が何たる無慈悲!」
 何と言うべきか…この怪婆、こう見えて容姿にまだまだ未練があるらしい。
《ええ、ええ…貴女の往時の『美貌』は私が知っていてよ》
「婆様の、『美貌』か…」
 ぼそり、スカルのつぶやきはあっさり聞かれ。さらに強烈な一撃を食らう。
「ええい!何と言う事じゃ!婆とて婆とて…昔はこのよな面では無かったの…にっくき歳月、婆の華のかんばせ妬みそねみ、このよに誰彼も逃げ出す顔にとねじ曲げたのじゃ!」
 どたどたどた、子どもの様に地団太踏み。在りし日を思って泣き喚く…
「そんな御悲嘆をなさらずとも…巫女殿、貴女には貴女だけの輝きがございます」
 婆の錯乱ぴたりとやみ…恐る恐る振り返った。

「な、何じゃと!?」
 怯えならで驚きで顔埋め尽くし。間抜けな程に口あんぐり上げて見上げるロウヒ。
「婆に…何じゃと…」
「瞳ですよ、貴女の」
 怪婆のみならでスカルも含め、一同石の柱の様に硬直する中…勿論シドは特に哀れな様子だった…白い魔術師は全く真顔で語り続ける。
「確かに巫女殿の御顔には歳月の鋭い爪痕が見受けられます、でも。…それとて瞳までは害せませんでした…」
 成る程、こうして驚きに眼を丸くした様子を見ると。怪婆と言えども存外瞳の色は悪く無い。そして勿論、魔術師の言う通り…流石のロウヒとて、眼には皺も無く尋常である。
「どうか御忘れになりませんよう…貴女には貴女だけの美しさがありますよ」
 魔術師の、訴えかける様な声。そこに作為のお世辞など、微塵も感じられず…
 どうやら。この魔術師と来たら…掛け値無しの本気で言っているのだ。
 無論。あくまで『ゴブリン的な美しさ』と言う事だろうが…

 沈黙の中。遂に耐え切れずスカルがまた笑い出す。
「参った!婆様を別嬪呼ばわりたァ…こりゃ本気で化け物だ!」
「何を言うか!」
 ガツン!すかさずロウヒ、魔女の一撃!
「あ、あの…?」
 唯一人、真実きょとんとした顔で…魔術師がおずおずと取りなそうとして。
 傍で。師匠思いで苦労性の弟子が…深い深いため息を付く。

 辺りは。爆発的な笑いに包まれた…



 打って変わってきびきびと、ロウヒが山姫御所望の『幻影の水晶』を運んで来る。
 恐らくは魔法の宝物、文字通りこの場に無き事物の幻影を映し出す品物であろう。そして山姫が、わざわざこの場に運ばせた訳は…

《よろしくて?私がこれから貴方達に頼む事…決して甘くは無くてよ?》

 一座をぐるりと見渡す紅玉の瞳は。
 一転、厳しいものを湛えていた。

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(C)獅子牙龍児
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